RICOH  SE、SE2    

   

ぜんまい巻き上げとセレン

カメラに電池を入れるのを拒否した時代があった。カメラは家電ではない。そんな時代の中で、自動巻き上げのカメラが登場した。初代リコ−ハ−フである。発売は初代が1962年、SEは1967年、SE2は1976年である。
設計者はタバコの大きさを基準にしたそうである。ハ−フとしては1959年にオリンパスペンの初代が発売されているので、この時期珍しくも無いのだろうが、特筆すべきはやはりぜんまい巻き上げであろう。1回の巻き上げで約25枚巻き上げられるのでハ−フサイズにはぴったりである。
SEはフラッシュマチックの追加されたモデルであり、SE2はストロボ用のアクセサリ−シュ−の付いたモデルである。
基本はすべて一緒である。レンズは25mmF2.8で、35mm換算だと約36mmのレンズとなる。この25mmというのは、オリンパスペンのワイドと同じなので、プレミアのついたペンWの代わりに、こちらを使うという人が一時期沢山いたものである。
ピント合わせは固定焦点で2.5mを基準にして約1.5mから無限遠を被写界深度でカバ−。
シャッタ−スピ−ドは単速で1/125秒、絞りはF2.8〜F22である。ストロボ使用時は1/30秒の固定。

オリンパスペンの使い手は沢山いるが、このカメラの使い手は意外と少なく、ぱっと思い浮かぶのは須田一政氏くらいではないだろうか。

リコ−オ−フの開発のお話は、設計者、安宅久憲 がコメントをしています。すみません、勝手にリンクを貼らせて頂きます。興味のある方はこちらをご覧ください。

みのかんのリコ−オ−トハ−フ

正直なところ、このカメラにはそれほど興味がわかなかった。というのは固定焦点というのが嫌いだったからである。初心者用というイメ−ジが強く、面倒でも目測式がよかったからである。
ところがこのカメラの使い方を、現猫の眼の会長であるコゲパンさんが教えてくれた。ピント合わせが要らないという事は、スナップにとってこれほどいい事はないという事である。
そしてその元を正せば須田一政氏ということになる。
それ以来僕も真似をしてスナップを撮りまくった。なかなか面白くて一時期のめりこんだ。室内等では明るさが足りないために問題もあったが、とにかく失敗は覚悟で撮り続ける。フィルムを惜しまないという点でハ−フは、これに勝るものはないだろう。
今では大好きなカメラとなっている。
2台ともヤフオクで手に入れたものである。SEは4000円くらい、SE2は汚くてぼろぼろだったが、機能は問題なく使えた。こちらは1000円くらいのジャンクであったと思う。
ヤフオクではいつも出品されているカメラである。興味のある方は、そんなに高いカメラではないので一台は買ってもいいかもしれない。値段の割に楽しめるカメラである。

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